「和紙を千年先へ。」 (後編) (公財)安部榮四郎記念館
平成28年6月11日(土)~25日(水)ニューヨーク ブルックリンオッサムギャラリーにて
開催された「和紙と書道展」を終えて帰国された安部榮四郎記念館の安部己図枝さんに、
今回の展覧会のお話しを聞くことが出来ました。
Q.今回の展覧会ではどれくらいの期間NYへ滞在されたのですか?
A.10日間です、展覧会の関わっていたのはその内の
一週間で、移動も含めて約二週間の長旅でした。
Q.会場はどんなところでしたか?
A.今回展示をさせて頂いたのは、ニューヨークのブルックリンにあるオッサム画廊という場所で。
「大都会」というよりは住宅街の中にあって、来館者も近所に住んでいる方々が多かったです。
Q.来館者の方々の反応はいかがでしたか?
A.みなさんとても興味を持って見ていらっしゃいました。
来館者の中には和紙の購入、特に便箋や和帳など展示品の購入を希望される方も多かったのですが、
(文化庁の事業の関係上)ここでは販売する事が出来ず、せっかく興味を持っていただいたのに
お持ち帰り頂けなかったのがとても残念に思いました。
版画家や画家の方は和紙のプリントをとても気に入って頂き「なんでこんなに綺麗にできるの?」
とお褒めのお言葉も頂きました。
また、私が帰国した後も絶えず来館者があり道着を着て来館する方や、団体の予約が入るなど、
嬉しい報告も多数頂きました。
Q.今回の展覧会で大変だったことはなんですか?
A.欧米と日本の意識の違いです。これには、かなりカルチャーショックを受けました。
基本的に外国の画廊と呼ばれる場所では飲食がOKな事にも驚きました。
その為、レセプションはワイン・ジュース、スナックを食しながら行われたのですが、その際にも
打ち合わせ無しで急に挨拶を任されたり、関係者の歯に衣着せぬ言動に面喰ったりと、細かい内容
は割愛致しますが、文化の違いは理解していたつもりでも驚きを隠せませんでした。
特に、人員不足や情報伝達に大変戸惑うことが多く、展示についてはほとんど
私と私のアシスタントと、数名の補助員で頑張りました。
滞在中は気を張っていましたが、歩きすぎたせいか帰国してから足を痛めてしまいました。
Q.今後の展開について
A.今回の展覧会ではとても良い感触をつかむことができ、販路は限りないなと感じました。
今回の展覧会を進めて下さった方からは「(今回の成果を受けて)もっと大きな場所・人が集まる場
所で展覧会をやればもっともっと色んな人に見てもらえるのに」といったお言葉を頂きました。
一番伝えたかった出雲民芸紙の良さをワークショップのうちわ作り、折紙作りや展示を通して、沢
山の外国の方に「見て」「触って」確かめてもらったのがとても良かったです。
今回の展覧会は良い部分、悪い部分を含めて大変貴重な経験だったと思います。
来年開催される、和紙の全国大会へ向けて今年から着々と準備を進めている安部さん。
今回のオッサムギャラリー展覧会が今後の和紙業界を照らす一筋の光になってくれればと
願います。
この度は(前編・後編)とインタビューにご協力いただき、(公財)安部榮四郎記念館さん本当に、ありがとうございました。
引き続き「まつえ南おいでネット」では地域で頑張る企業さんをご紹介していきます。
(公財)安部榮四郎記念館
住 所 島根県松江市八雲東岩坂1754
電 話 0852-54-1745
営業時間 9:00~17:00 (入館は16:30まで)
定休日 火曜日(火曜日が祝日の場合は翌日)年末年始